立って半畳、風呂1畳
賃貸から一戸建てとなると足をゆっくり延ばせる御風呂が欲しくなるのが人情です。かくいう自分も、鎌倉の1軒目の家では1坪サイズ。現在の2軒目の家では1.25坪サイズにしました。でも所詮そんなものです。実際にあまり湯船のサイズが大きいと、お湯が浅く冷め易いことも経験しています。そこで3軒目の老後の家は0.75坪。これで充分です。

上は、先日見て来た古民家の御風呂ですが、1畳だから0.5坪ということになります。間取図面では、この御風呂は使えずリフォームが必要だなと思っていましたが、実際に見てみると結構十分では無いか?という認識です。
憧れの一戸建て派には受け入れられないでしょうが、古民家派には許容範囲ではないでしょうか?まして古民家の賃貸物件としては充分です。畳1枚分の御風呂というのも間取りの選択肢かも知れません。長屋風賃貸を建築するようなことがあれば採用しても良いかも知れません。その分タイルで造作風呂だったりするとトトロの家的で可愛いです。






材木座の国有地を購入して建てた住まい。建築日記・8年後の感想バージョンもこれで最終回。1軒目ということで、純粋な家づくりへの思いが詰まった愛着ある住まいである。海岸に出かけるときこの家の前を通るたび、幼い子供達を保育園に送り迎えしていた日々が蘇る。大雪が降ったり、台風がやってきたり、そんな時も、いつも我々家族を力強く守ってくれたマンサード屋根の家。今は新しいオーナーが住んでいるが、彼らとはメールで交信したり、街角で会うと良く挨拶をする仲だ。気に入って住んでくれていることと思う。
室内から数えると、ビニールクロス→石工ボード→アルミシート→ロックウール断熱材→内壁通気層→通気防湿シート→構造板→防水紙→防火ボード→下地垂木→外壁通気層→外壁材と12層構造の我が家の壁は25cmほどもある。冬は床暖房1つで家全体が暖まり、夏は6畳用クーラー1台でワンフロアがギンギンに冷える性能はここから来ている。省エネルギーのためにも良いし、冷暖房費が少なくてすむため経済的である。一度冬暖かく夏涼しい家に住むと、他の家に住めない。
「足が暖かい」と喜んでいるだけでは正しい床暖房の運用の仕方ではない事を、どれだけの人が知っているだろうか?最近は、多くの新築住宅で床暖房が設置されるようになってきたが、まだリビングだけとか、限定されたエリアでのホットカーペットと変わらない使い方の家も多いようだ。我が家の場合は、1階と2階のフロア全部(約100平米ほど)に床暖房が敷設されている。朝晩1時間程度の床暖房運転で、真冬でも室内全体を20度前後に保つことができる。このように、風呂も玄関土間もトイレも居室もすべて同じ温度に保つ総床暖房に欠かせないのが、しっかりした断熱である。
家づくりで、耐震構造設計は最も重要な要素である。耐震設計や構造計算などは図面と数字で表現されているので、実は、素人目には全く判断ができない。それでも、自分の見る目や感覚をもっと信頼してみてはどうだろう。しっかりと重厚な造りだと感じられる構造。これを目で確かめることができる。工務店や設計者などを決めるときは、完成した家だけでなく、建築途中(上棟の時期くらいの時期)の現場を見せてもらうと良いだろう。最近鎌倉でも増えつつある建売りの工事現場などを見ていると、こんな柱で大丈夫かと思うことがあるが、工務店側の言葉だけでなく、見た目の判断も重要ではないだろうか?
この家の建築中は、本業の会社の仕事もそれなりに盛業で、現場を見に行く機会は週末くらいと少なめだった。土曜日には、よく大工さんとも顔を合せたが、親しくなるほどではなかった。東京に住みながら、鎌倉に土地を買って家を建てるからそうなるのであって、まず賃貸住宅で移住していれば、近所から毎日のように見に行くことも可能だったはず。ダンハウスの他のオーナーは建替えが多く、その間は近所に仮住まい。毎日見に来るオーナーもいるので、職人の邪魔にならないよう、テーブルづくりをさせられるのが常である。我家のキッチンは丸テーブルを考えていたので、テーブルづくりは遠慮した。
土地は更地のときは、それなりの広さを感じる。基礎工事がはじまると妙に狭く感じる。建築が始まると足場が組まれるので、また空地が無く狭く感じ。建物が完成すると足場がはずれるのですっきりと広さを感じるものだ。室内工事にしても、構造がむき出しの方が空間は広いはずだが、やはり完成して壁が塗られ清掃も終わった引渡時が一番広く感じる。
毎度地鎮祭は気が引き締まる思いがする。言い換えれば、その土地と建て主の結婚式のようなものである。我家の地鎮祭の費用は、神主さんへの玉串料と、祭典のための道具一式とお供え物の準備費用などで総額5万円ほどだった。この頃は、子供達も幼く、地鎮祭の意味もわからず参加していた。これからの人生で2度も3度も親の住まいの地鎮祭に参加させられるとは思いもよらないだろう。
1軒目の家のキッチンで重宝したのは幅60cm×高さ180cmほどのトールユニット。中は10段ほどのワイヤーバスケットが設置されており、これ1つで、かなりの食材やキッチン用品を収納することができる。また、最初は気に入っていたコーナーユニットであるが、鍋を出し入れするために、どうしてもワンアクションではなく、ツーアクションになってしまい面倒だと感じるようになった。そのため次の家のキッチンのコーナーはオープンの棚にしたのだが、これは非常に使いやすい。
人感センサースイッチは、人が近づくと自動的に一定時間照明が灯るので、とても便利なものである。子供の教育的な理由により、1軒目の家も2軒目の家もトイレに付けることはやめたが、現在計画中の3軒目の老後の家には、玄関に加え、トイレにも是非付けようと思う。照明の消し忘れもなく省エネであるし、スイッチをさわることがないので掃除の回数も大幅に減るメリットがある。この人感センサーであるが、時々誤動作するのか?無人の状態で点灯することもあり少し怖い!と思うこともある。一カ所数千円と予算的な負担も少ないので、皆さんの家づくりでも是非、取り入れると良いアイテムだ。
3F(小屋裏)は写真のような傾斜天井。照明には、この勾配天井用がある。蛍光灯をはじめダウンライトなどにも勾配天井用がある。家づくりの中で、電気工事は最後になるので照明選びは最終段階である。ここで手中力を欠かさないようにしたい。また、最後の数十万円の予算調整が照明選びで出来るので、予算が苦しい人は、設計者に最もシンプルなものを選んでもらうと良い。ダウンライトなどは変更できないが、ペンダント照明などは、あとで気に入るものに買い替えても良い。
高さ制限があるなかで、無理して三階建てにしているため天井高が2.3メートル(通常は2.4メートル程)とやや低い我家なのであるが、照明器具にシンプルなデザインのものを選ぶことで、圧迫感が出ないように配慮している。そんための究極の選択は、天井に埋込まれるダウンライトであるが、これも多用した。天井が低いことで、照明費用のコストダウンという副産物もあった。この10数センチ低い天井の家でるが、決して圧迫感があるわけではなく、来客誰も気にすることは無かった。
折角選べるのだからと1Fと2FのトイレをそれぞれTOTOとINAXのものにしてみた。色は、最初はTOTOの方がつまらない感じがしたが、時が経って見ると、TOTOの方が落ち着きがある感じがする。INAXはショウルームでは見栄えがするのだが、シックなダンハウスには少し合わないようだ。モダンな家にはINAXをトラディショナルな家にはTOTOが良いかもしれない。ちなみに推薦金具はINAXのデザインの方に軍配あり。
この宅地の地域は、防火無指定ということで外壁の板貼りが比較的簡単にできた。詳しくはわからないが、下地に防火ボードを敷設することでその上に天然木の板ばりが可能なようだ。その後、2軒目を建てた鎌倉市小町の宅地は、駅近くで容積率も高いことから、準防火地域に指定されている。この場合は、延焼の恐れのある範囲は、防火処理していなければならない。窓やドアや内装も防火仕様が求められる。
この家を建てた後、次々と建ったダンハウスのほとんどは、珪藻土か漆喰の室内壁になっていた。それらを見る頃から、ふつふつと、もう1軒建てるぞ熱が高まってきていたのは言うまでもない。同時に、珪藻土のメーカーが主催する塗り壁教室などにも通い、壁紙の上からセルフビルドで塗り壁をする準備もしていた。大屋根の家を建てたいに加え、、壁を珪藻土にしたいという思いが加わった。
4.5帖近くある我が家のテラコッタタイルの玄関土間。自転車をおいても狭くならないほど空間で、裏庭にそのまま土足で抜けられるところが良かった。現在3軒目の老後の家を設計してもらっている建築家の森さんも、この広い土間玄関は気に入ったようで、参考にしたと言ってくれて、とても嬉しかった。ただ広い玄関にも問題はあり。1つは掃除が面倒なこと。もう1つは、宅配便などが来たときにドアを開けるために、いちいちサンダルを履かなければならないことである。
我家のコダワリは何と言っても1F+2F約100平米全体が総床暖房であること。床の仕上げは全てコルクタイルに決めたのだが、フローリングの方が大人っぽい感じで、コルクタイルは少し可愛い感じ。結局、床暖房との相性からコルクタイルを選んだわけだ。これが結構快適な素材で、どこでもゴロゴロと畳のように寝転がることができる。小さな子供がいる我家にも安全で良い。食器を落としても割れないくらいのクッション性もある。経年変化でフローリング同様に日焼けする。ワックスをかけないでおくと、ツルツルとベタベタが目立つので、手入れは多少手間がかかった。
いろいろ振り返ればプランの優劣に思いがあるが、ルーフバルコニーのあるマンサード屋根の我家。なかなか良いバランスではないか!この模型を見ながら、いろいろ間取りを覗き込んで楽しんだことがなつかしい。ちなみに、この模型は、家を売ったとき契約時に買い主にプレゼントした。新居の完成の都合で買い主には、1年近く引き渡しをのばしてもらったことを感謝しているが、その間、模型を見ながら新しい住人たちも、我々家族同様に模型を楽しんでくれたかもしれない。この1/50の模型。模型冥利につきる奴だ。
最終の間取りプランを振り返ると、「子供が小さかった当時の我々の希望を形にすると必然的にこうなった」と頷けるものとなった。ルーフバルコニーは期待通りであった。ただ、台風等で大雨が降ると、排水口が詰まってよくルーフバルコニーに水がたまった。そのせいで簀の子状のウッドデッキが浮き、外開きのドアが空かない事態になるが、子供部屋からの小さな窓から身をよじり、ようやく外にでて排水口のゴミをとったものである。このことは、真っ先に、この家の注意事項として伝えた。
2階の図面を見ても愛着を感じる。前にも書いたが、ちょっと南向きのリビングバルコニーは日差しが強すぎる。建て主が最も気にするのが、陽当たりだが、リビングの配置など真南はあまり意識しないで良いと思う。ビルに囲まれているならともかく、お天道様は上から降り注ぐのだから…。逆に夏の強い日差しをかわすため、少し東や北を意識した配置を考えた方が良いかも?南向きの陽当たり信仰は、何の取りえもない開発分譲地の宣伝文句として考えられたもので、鎌倉や湘南の海や山に囲まれた環境では、風の流れや緑の借景など、もう少し環境全体で、考え方を変えた方が良いかもしれない。
さんざん最初のプランが良いと言っているが、実際に建つ我家の間取り愛着もあるし、今図面を見ても悪くないと思う。しいて言えばオフィスはSOHOで夫婦で利用するだけだから、わざわざ部屋にしないでもっとオープンなスペースにしても良かったろう。でも売るときは、1部屋と数えられるので、その存在価値は高いものだ。これが書斎&オープンスペースだったら、買い手は少なかったかも知れない。
『ルーフバルコニーを物干しにするか?もしかしたら3Fから海が見えるかもしれないし…』の一言で、我家は図のような建物の配置となったわけだが、ルーフバルコニーの存在は確かに評価できる。結局海は見えなかったが、洗濯物は干せるし、夜風にあたるなど息抜きには最高だった。とは言っても海に近い鎌倉では午後2時までが限界。それ以降も干しておくと潮風で洗濯物はベットリだから、結局洗濯ものは3Fの室内に干していることが多い。これは今の家でも同様である。
リビング前のバルコニーにいつも洗濯物が干してあっては興ざめである。この2番目のプランでも物干スペースをと強く要望した結果、最終プランのようなルーフバルコニーのあるプランになったのだが、プレイルームにでも、1Fの庭にでも洗濯物は干せたはず。ただし、あくまで最初のプランが良いのであって、2番目は最悪。(こちらは建ててから8年後の感想です。)
2階は悪くなさそうだが、ここで囚われているのが南向きに開けたリビング。実際のプランではダイニングやリビングが南に開けていたのだが、夏は日差しが強すぎて暑くなるのである。日当りも程々が良い。リビングは東向きか、開口部をしぼっての西側が良いかもしれない。また、通行人から洗濯物が見えないようにバルコニーを敷地奥に配置したかったのであるが、やはり最初のプランが良いと感じる。もう1つこだわった、パウダールームとトイレの分離、配管も増えコストも増える結果に。
これは、あきらかに改悪という感じである。どうして?この使いにくそうなウォークインクロゼットにしようと思ったのだろう!そうだ、前のプランではウォークインで無かったのだ。どうしてもどこかで見たように、自分がクロゼットの中に入りたかったのだろう(笑)。このように、どこかで見たイメージがくせ者なのだ。それに囚われると、大事なことを見失ってしまう場合がある。


間取りプランに対する要望は、とかく細かくなりがちである。かくいう私達もかなり細かい希望を羅列していたと思う。今振り返れば、そんなにこだわらなくても良いのにという内容も見受けられる。建築家に設計を依頼する場合は、家族構成とライフスタイルと大まかな部屋数くらいを伝え、彼らの創造力に期待した方が良いのではないかと最近思うようになった。「リビングは2階で南向きに」という重要と思われる要素であっても、ときに取り去ってみることもまったく新鮮なプランが出てくるかも知れない。
補欠ながら、見事当選した鎌倉市材木座の国有宅地であるが、実はこの国有地定価売却の当選確率を2倍3倍にする確かな方法がある。ただし、これは誰でもが使える手ではない。塾長の場合は会社を経営していたので、個人と会社と2つの名義で申しこんだのである。ちょっとズルいが、上位の人が辞退したこいとを考えれば、結局お鉢は回って来たと思われるのでお許しあれ!結局、当選したのは会社の方だった。個人で会社に資金全額を貸付け、そのお金で土地を買い家を建てたのである。これは、ローンを組みたい人には利用できないしワンマンの会社経営でなければ無理な方法。それなら、妻の名義や親の名義も使えそうな気もするが、税務的な整合性が大事である。購入する資金の流れによっては、贈与とみなされ課税されてしまうからだ。住宅ローンで土地という不動産を買う人が多い世の中だが、全額自己資金という通常と違う方法なら、さまざまな選択肢が見えてくる。全額とまでは行かないが、自己資金は多い方が、不動産の世界では有利である。
国有宅地は購入してから5年間は売却してはいけないのだが、結局1軒目の家は、建築期間も合せて7年足らずで売却することになった。38.9坪で4240万円なので坪単価は約109万円。売却時は全体に鎌倉の地価も下落気味であったが、土地の評価は下げずに売る事ができた。JR鎌倉駅から徒歩15分。材木座5丁目海まで200m。38.9坪の長方形の土地。道路幅4メートル。売りやすい条件だから購入したことが功を奏したようである。
由比ヶ浜の48坪で蝶ネクタイのような変形の敷地に妻の両親との2世帯住宅。土地代に7800万円+建築に6000万円と諸費用合せて1億4000万円以上。今思えば、本当に買えなくてよかったと思える土地である。この土地を買っていたらローンに追われ、結局2軒目の家も3軒目の家を建てる可能性が無くなってしまっただろう。家造りはプロセスが楽しいのである。住宅が出来てしまったら、それなりで2年か3年もすると新居に慣れてしまう。土地探し&家づくりを止めたときに、塾長の家づくりアドレナリンは止まってしまう。もしかしたら、病気になってしまうかも?そんな時のために、他人の家づくりのお世話までして、家づくりアドレナリンが切れないなようにしているのでだが、これって、やはり病気かも知れない。いわゆる家づくり中毒です。
材木座の家を建てた1997年当時と現在2006年の鎌倉の地価事情が似てきている。鎌倉駅から徒歩15分程度で風情があり敷地面積が最低45坪以上で最低4500万円くらいの売り出し価格相場。最近では由比ケ浜あたりでも坪単価150万円はめずらしくない。今でも同じなのは、多くの物件を見て、これはと思ったものに食らいつくこと。当時と少し変わったと思うのは、減額交渉が当たり前になってきていることである。
その頃、鎌倉・逗子・葉山のビルダーの代表格は、ダンハウス、技拓、キリガヤなどであった。最も歴史が古い技拓は、一度組織変更し、そのDNAを受け継いだ設計者がいくつかのグループにわかれた。この材木座の家を建てた当時は、こうしたビルダーもまだ実績が少なく、やはりダンハウスなどに優位性があった。また、ダンハウス社長の一切妥協しない施工姿勢は、始めて家を建てる我々夫婦には心強いものであった。ただしコストもトップクラス。いまでは、こうした湘南地域の輸入材で日本の風土を合わせた建築手法を用いる若手のビルダーが実績を積み、ボトムアップされている気がする。住みたい鎌倉・建て主塾のサポーターであるアトリエエーワンなどがその代表格だ。
やはり家づくりの近道は、住みたいと思う土地に移住することだと、つくづつ思う。その土地に住まなければ不動産情報も手薄だし、意中のビルダーとの出会いも無かったはずだ!1枚のチラシとの出会いから、まさか2軒目、3軒目と鎌倉に家を建て、住みたい鎌倉・建て主塾という活動まで始めるようになるとは、その頃は思いもしなかた。
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